2025年6月24日
【帯状疱疹とは】
帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによってさまざまな症状を起こすことをいいます。帯状疱疹ウイルスは初めて感染した際には、水疱瘡として発症します。水疱瘡治癒後もウイルスは体内に残っており、普段は自身の免疫によって抑えられています。加齢や風邪、疲れ、持病の悪化、内服の影響によってウイルスが再び活性化し、帯状疱疹を発症します。
帯状疱疹は日本人成人の約90%以上に発症する可能性があり、特に50代から発症が増え、80歳までに約3人に1人が発症⁽¹すると言われています。発症すると皮膚にピリピリとした痛みが現れ、その後発疹が出現します。かゆみも伴うこともあり、徐々に強い痛みとなり、夜も眠れなくなるほどの痛みとなることもあります。症状は頭や顔、上半身に多く見られます。皮膚症状が治った後も、帯状疱疹後神経痛(PNH)として痛みが後遺症として残ることもあります。
【ワクチンについて】
帯状疱疹のワクチンは、発症リスクを下げ予防する働きがあります。日本では生ワクチン(ビケン)と不活化ワクチン(シングリックス)の2種類があります。

※両ワクチンとも、心臓や腎臓、肝臓、血液疾患の基礎疾患や、2か月以内の予防接種歴がある方、過去にワクチン接種でアレルギー症状が出た方、免疫不全と診断されている方などは注意が必要です。接種にあたっては事前に医師にご相談下さい。
▷当院では持続効果の面よりシングリックスを採用しています。
【ワクチンの費用助成について】
帯状疱疹ワクチンの接種費用に関してはお住いの自治体からの費用助成を受けられます。これまでは65歳以降5年毎に接種に関する通知が自宅へ届き、接種のタイミングを65歳、70歳、75歳、、、、、と5年毎に任意に決めることが可能でしたが、令和7年度4月の対象者から帯状疱疹ワクチンの定期接種を受けられるのは通知書が届いた年度のみへと変更となりました。つまり、今年通知書が届いている方は令和8年3月31日までに接種を受けなかった場合、5年後に定期接種の通知書は届かないため、全額自費での接種となってしまいます。定期接種による公費負担を受けられる機会は生涯に一度のみと変更になったので注意が必要です。任意接種はこの限りではありませんが、各自治体ごとに内容が違うため確認が必要です。区の自治体のホームページをインターネットなどで調べるか、直接連絡して確認してみましょう。
▷品川区の帯状疱疹ワクチンに関する助成内容

▷当院で不活化ワクチン(シングリックス)を受けられる場合
全額自費 22000円×2回=44000円
定期接種 11000円×2回=22000円
任意接種 12000円×2回=24000円
今年度予防接種の手紙が届いた方で、接種に関して悩まれている方は、お気軽に当院医師までご相談ください。
1)SHIRAKI, Kimiyasu; TOYAMA, Nozomu. 帯状疱疹の宮崎スタディ.