
腹部エコー(超音波)でわかる病気
腹部エコー(超音波)でわかる病気
腹部エコー(超音波検査)は、これらの臓器に関する病気や異常を早期に発見するための重要な検査です。放射線を使用しないため安全で、痛みもないことから、定期的な健康チェックや症状がある場合におすすめです。特に膵臓、肝臓、胆のう、腎臓などの消化器系疾患は、早期発見が治療の鍵となります。
膵臓は、消化酵素を分泌したり、インスリンを分泌する重要な臓器です。腹部エコーで膵臓を線状に調べることで、膵臓に関するさまざまな異常を発見することができます。
膵臓炎
膵臓炎が炎症を起こしている状態を膵炎といいます。急性膵臓炎や慢性膵炎の可能性があり、超音波で膵臓の腫れや周囲の液体貯留などを確認することができます。膵臓自体の形が変わることがあります。
膵臓がん
膵臓がんは初期に症状が現れにくいため、発見が確定することが多いですが、エコー検査で膵臓に異常な腫瘍(しゅりゅう)を発見することができる可能性があります。大きさが不規則で、周囲の臓器への浸潤も見られることがあります。
肝臓は体内で最も大きな臓器で、代謝、解毒、胆汁の分泌など、様々な重要な機能を担っています。腹部エコーによって、肝臓の状態を確認することができます。
肝硬変
肝硬変は、肝臓の慢性的な障害が進行して、肝組織が繊維化し硬くなる病気です。腹部エコーでは、肝臓の表面が凸凹していたり、肝臓が縮んでいる様子を確認することができます。また、肝硬変が進行すると、腹水(おなかの中に水分が溜まること)や脾臓の腫れ(脾腫)が見られることもあります。
脂肪肝
脂肪肝は、肝臓に過剰な脂肪が蓄積する病気で、飲酒や肥満、糖尿病が原因として挙げられます。超音波検査では、肝臓のエコー像が明るく見えることがあり、脂肪が蓄積していることがわかります。脂肪肝は進行すると肝炎や肝硬変に繋がることがあるため、早期に発見することが重要です。
肝臓がん
肝臓がんは、肝硬変や慢性肝炎が原因で発症することが多いです。腹部エコーで肝臓内に異常な塊や腫瘍を発見することができます。腫瘍が大きくなる前に定期的にエコーを行い、早期に発見することが肝臓がんの治療の鍵となります。
胆嚢は、肝臓で作られた胆汁を貯める役割を果たしており、消化を助けるために重要な臓器です。腹部エコーで胆嚢の病気を発見することができます。
胆石症
胆石症は、胆嚢内に胆石ができる病気で、腹部エコーでは胆石を確認することができます。胆石がある場合、胆嚢内で石が動く音(エコーの中で音が鳴ること)を確認できることがあります。胆石が大きくなると、痛みを引き起こしたり、胆嚢炎を引き起こすことがあります。
胆嚢炎
胆嚢炎は、胆嚢が炎症を起こす病気で、腹部エコーでは胆嚢が腫れている様子や、胆嚢壁の厚みが増していることを確認できます。また、胆嚢内に液体の集まり(胆嚢内膿)が見られることもあります。急性胆嚢炎が発症すると、激しい腹痛や発熱を伴うことがあります。
腎臓は、体内の老廃物をろ過して尿として排出する重要な臓器です。腹部エコーによって、腎臓の状態を確認し、異常を早期に発見することができます。
腎結石
腎結石は、腎臓内に石ができる病気です。腹部エコーで、腎臓内に結石が映し出されることがあります。結石が大きくなると、尿管を塞いで痛みを引き起こすことがあります。
腎臓の腫瘍
腎臓に腫瘍ができることもあります。超音波で腎臓内に腫瘍を発見することができ、腫瘍の大きさや形を確認することができます。腎臓がんは早期に症状が現れにくいため、定期的な検査で早期発見を目指すことが重要です。
腎不全
腎不全は、腎臓が十分に機能しなくなる状態です。腹部エコーでは、腎臓が腫れていたり、形が不規則になっていることを確認することがあります。腎不全が進行すると、透析治療が必要になる場合もあります。
脾臓は、血液のろ過や免疫機能に関与する臓器です。腹部エコーで脾臓の状態を確認することができます。
脾腫(脾臓の腫れ)
脾腫は、脾臓が異常に腫れる状態です。腹部エコーで脾臓が大きくなっていることが確認でき、脾腫の原因には感染症や肝疾患、血液疾患などが考えられます。脾臓が大きくなると、脾臓が破裂するリスクも高くなるため、注意が必要です。
脾臓の腫瘍
脾臓にも腫瘍が発生することがあります。超音波で腫瘍の存在を確認することができ、良性の腫瘍と悪性の腫瘍(脾臓がんなど)が区別されます。腫瘍が大きくなると、脾臓が破裂することがあるため、早期に診断して治療を行うことが大切です。
腹部には、様々な大血管が通っています。大血管系の状態を確認することも腹部エコーの大切な役割です。
大動脈瘤
大動脈瘤は、大動脈が膨らんで血管壁が薄くなる状態です。腹部エコーでは、大動脈の膨張を確認することができ、特に高齢者や動脈硬化のある方では、定期的な検査が推奨されます。大動脈瘤が破裂すると命に関わることがあるため、早期に発見し、治療することが重要です。
膀胱は、尿を貯める役割を担う臓器です。腹部エコーでは、膀胱内の異常を調べることができます。
膀胱結石
膀胱結石は、膀胱内に石ができる病気です。エコーで膀胱内に結石が見つかることがあり、結石が尿の流れを妨げることで痛みを引き起こすことがあります。
膀胱がん
膀胱がんは、膀胱の内側の細胞ががん化する病気です。腹部エコーでは膀胱内に腫瘍が見られることがあります。膀胱がんは血尿を伴うことが多く、早期発見が予後に大きく影響します。
前立腺は、男性の生殖器に関連する臓器で、尿の通過にも関わっています。腹部エコーで前立腺の状態を確認することができます。
前立腺肥大
前立腺肥大は、加齢に伴い前立腺が大きくなる状態で、尿道を圧迫し、尿の出が悪くなることがあります。腹部エコーで前立腺が大きくなっている様子を確認することができます。
前立腺がん
前立腺がんは、男性に多く見られるがんで、早期に症状が出にくいのが特徴です。腹部エコーでは、前立腺内に異常が見つかることがあります。前立腺がんの疑いがある場合には、さらに詳細な検査を行うことが推奨されます。
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